信号待ちをしていると泣き叫ぶ子供の声が聞こえてきた。
その声の主は向かいのコンビニの中にいるらしかった。
コンビニの中をのぞくと座り込んで叫ぶ子供がひとりだけ見えた。母親が寄ってくるのが見えたので通り過ぎようとすると「いい加減にして」と母親の声。
コンビニの前を通り過ぎた後、今度は路上に出され、さらにヒートアップした子どもの癇癪が聞こえてくる。
そこで、余計なお世話は承知の上で引き返して親子に声をかけることを決めた。
母親が近づいてきた知らない女性に一瞬身構えたのが分かった。
立ち止まって母親の顔をみた。私を無視して子供に「何でいつも言ってるのにあなたは分からないの」と言っている。
私はその母親に声をかけた。
「お母さん、あなた育児頑張ってる!」
その母親は一瞬何を言われたか分からなかったのだろう。間があった。ぷっと笑った。
それからその母親はしばらく間があって私の方は見ないまま、子供に「ひとつだけ好きなの買ってあげるから帰ろうか」と声をかけた。
子どももその言葉にピタリと泣き止んでどうしようか思案し始めたようだった。
「良かったね。買ってくれるってさ」
私は子供にそう声をかけて、その場を後にした。
お母さんも困ってるんです。就学前の子供を育てていていつも機嫌のいいママなんていないんじゃないでしょうか。おせっかいで、すみません。
だいぶ前に実際に声をかけた話ですが、下記の記事を読んで考えさせられてしまったので書くことにしました。
プレジデントオンライン 「ファミレスで子どもに延々と怒号浴びせる母親と無視する父親」街中で児童虐待を見たらどうすればいいか